1年しか勉強していないのに

先日、学期の最後に行われるスピーチ会が行われました。初級の2つのクラス合同です。1つのクラスは半年間。もう一つのクラスは1年間日本語を勉強してきた学生たちです。1年といっても休みの期間があるので、クラスでの授業は実質9ヶ月といったところでしょうか。他の期間は、研究室やボランティア、チューターの学生たちと交流をしてきた留学生たち。彼らの日本語力の伸びには目をみはるものがあります。

 

日本へ来てからはまったという地下系アイドルについて熱く語る学生、日本の生活の中で一番印象に残った出来事(初めて救急車にのったこと)を臨場感あふれる解説によって語る学生、旅行記、日本の何かと自国の何かを比較する話、さまざまな話題で発表が行われました。

 

なかでも、博士学生の発表はすばらしかったです。自分の子供が2歳で来日し毎日公園であそびたがるので、大学付近にある公園について、場所、遊具、設備などを調べ、自国の公園と比較したものです。地図の縮尺を合わせて比較すると、日本には狭い地域にたくさんの児童公園があることがわかります。(都の条例で決まっているそうです)また、遊具の種類や遊具が設置してある地面の材質にもふれ、これは自国でもみならったほうが良いと意見を述べていました。

 

日本に来てまだ1年ですから、使える日本語は身近な語彙に限られます。ですから、話題を自分の身近なものに設定しながらも、比較分析を行うなど、さすがに、レベルが高い博士学生らしい発表だと敬服しました。

 

私たち日本語教師は、彼らの研究室での生活がすこしでも円滑になるように、日本語という場面でしかバックアップできませんが、精一杯応援したいとおもいます。